海外在住夫婦の老後の備え方、貯蓄方法(日本とアメリカ)
本内容は私のあさーい知識と個人的経験に基いております。それを踏まえた上で個々に合った方法を模索して頂ければと思います。
海外在住&現地採用組、貯蓄頑張りましょう。
私達の状況
うちの場合は、妻の私が日本人、夫はアメリカ人です。うちの夫はいわゆる駐在ではなく、今の勤務先と面接をして、採用して貰っているので駐在か現地採用の区分けで言うと現地採用です。
そのため駐在の方と違って中国の勤務先に雇われているので日本の厚生年金のような年金は貰えません(一応中国の年金的なものもありますが、中国永住予定ではないので割愛)。自分達で老後資金の事は全て考えねばなりません。死活問題です。
またうちは子なしなので、更にゆくゆくは老人ホームに入るお金も考えなければなー。。。というところ。
老後もそんなに先のことではない?
人から聞いてはいましたが30を越えたら時間の経過が以前より更に加速しているように感じられるようになってきました。この前、年始だったと思ってたのにもう年末?というような感じで何だか知らぬ間に時が過ぎて行きます。
老後なんてまだまだ先だと思っていてもこんな調子で時間が過ぎて行くなら悠長な事は言っていられないな。。。と。
日本人として、アメリカ人として貯蓄、投資
日本人の私の場合
最近マイナンバーが導入されたりで、新たに銀行口座を日本で開くにはこの番号が必要となり、口座を開けないところも。
何か今のところ銀行によって対応が異なるようですが、どうも証券会社の口座開設時には場合には必要なようです。付番されてない海外在住者は元々口座開設は出来なかったですが、更に出来なさ度が増す感じですかね。
非居住者用の口座を用意している銀行もありますが、使い勝手が格段に悪い事が多く、現実的ではないことも。私が検討した銀行はFAXで振込依頼をするとかで、ちょっと無理だなと。
海外在住であっても日本人であれば日本に銀行口座が必要な場合がほとんどではないかと思いますが。。。
そのため私は原則日本では投資は出来ないし、貯蓄も海外在住日本人としては日本では出来ないです。
ただ年金だけは海外在住でも支払うことが出来るので、付加年金も付けて支払いしてます。(海外に住んでいる場合、支払いは義務ではなく、支払わなくてもカラ期間として受給資格年数には含まれますが、支払いをしないとそれだけ貰える金額も減ってしまいます。)
付加年金とは、月額に+400円して支払うことで、老後+で200円X支払いをした月数、毎年貰えるというもの。長生きすればよりお得に。例えば10年(120ヶ月)付加年金を支払ったとしたら(400X120ヶ月=48,000円)、200X120=24,000円、基礎の年金部分に追加して貰えるということです。
2年年金を貰えば元が取れちゃいます。年金なんて、と思う方もいるかもしれないと思います。
高齢者の比率が多くて、例えば移民が多いアメリカ(ちょっと現在微妙な雰囲気ではありますが)のように若い働き手が流入してくることがない日本では確かに今後年金が少なくなることはあっても、多くなることは見込めないと思います。
でも、崩壊はしないんではないかなと今時点では私個人では思っています。
allabout.co.jp
また年金未払いの人が多い!なんてニュースが私が日本にいた時によく流れていたように思います。
厚生年金は基本的にサラリーマンの方であれば給料から差し引かれていますので実質国民年金も皆さん強制的に支払っている場合がほとんどかと。
そう考えると、ほとんどの会社員の方が支払いをしている制度なので、支払いをしていない人っていうのはこういう会社員以外の人の中でも少数派という事になるかと。世の中会社員の方が多いですからね。
また受給資格が25年→10年に緩和されたのでこれから支払いを始めても貰える方が多くなると思います。もし今まで払っていないなーという方は検討してみても良いと思います。
www.mhlw.go.jp
年金については、貰える額は減るだろうけど、年額いくらかでも貰えて、長生き出来ればラッキーだなーくらいの気持ちでいます。
ちなみに夫はそんなの払わないで、その分を別の投資にまわしたら、という意見。でも私は一応日本人として多少は日本社会の輪の中で何らかの貢献をしたいのでこれからも続けて行く予定です。
アメリカ人の夫の場合
アメリカは税金に超厳しいです
税金の面で考えるとアメリカは特別です。
その他ほとんどの国と違って、住んでいる国に関わらず税金をアメリカに申告/収める必要があります(アメリカ外在住者は2018年については104,100ドルまでであれば実質課税はなし、ただし申告要)。
日本人であれば、例えば中国に住んでいればいくら稼いでいても中国に税を納めればそこで完了しますが、それを日本にも申告しなければならないというイメージですね。
Foreign earned income exclusion - Wikipedia
現在は夫の勤務先が中国側の税金については対応してくれているので、中国への税金はノータッチです。
ただ勤務先公認の仕事の一部がアメリカ側で給料を貰う感じになっているのでこれも別途申告が必要。夫が全部やっているので私は知らぬ存ぜぬですが、聞くだけで面倒臭い感じ。
ただ日本の国税庁にあたる、IRSはとっても怖いことで有名なのできちんと確定申告をしておかないと後々大変な事になるので申告を忘れるとかは言語道断です。
配偶者のビザ申請では確定申告をきちんとしているかも確認があるので、もし将来私がアメリカに住むとなった場合にも大切ですね。。。(たぶん住むことはない気がしますが)
www.bloomberg.co.jp
そのために米国籍を放棄する人も結構いるよう。
ほんとアメリカって世界でもかなり力を持っています。
知っている方もおられるかもですがスイスのプライベートバンクが閉鎖に追い込まれたり、アメリカに住んだことがない二重国籍の人もアメリカに税金申告する義務があるので、税金滞納するとパスポートが取り上げられてしまうなんてこともあるのですごい厳しいです。
diamond.jp
forbesjapan.com
日本人は日本以外に住む人の場合、銀行やカード会社は表向き口座開設やカード作成は出来ない場合がほとんどです。アメリカでは(ド素人の私が)調べる限り法律的にはそういう決まりはないようです。
夫の場合、カード会社に電話する際に「北京に住んでます」と答えたり、一度ローンを組むことを考えたのですがその際にも北京の勤務先を提示してローンが可能か聞いており、結局その際にローンは組まなかったものの、ローン自体は通ったので、申込すれば組めるとのことでした。
ただ、海外在住は開設出来ないという制限をかけている銀行口座や証券会社も多いようで、やはり少なくともアメリカ国内の住所や連絡先が一応必要となる場合がほとんどだと思います。
ただ近年FATCAという法が出来たことによってアメリカ国外の金融機関でアメリカ人は口座を開けなくなったり、後はアメリカ国内でも海外の住所では口座開設は出来ないケースが多くなってきているようです。
ただ、日本と違うかなと思うのは、ファイナンシャル・アドバイザーなんかが、アメリカの住所で口座を開けば問題ありません的なことをネットに書いてたりすることかなと思います。
thunfinancial.com
後は個人的に利用したことはないのですが、海外在住者向けの機関でアメリカ国内の口座を開けますというようなところも。
母国以外に住む人にお薦め出来る投資ブログ
投資ブログとかリタイアに向けて書かれているブログはたくさんあって、でも母国以外に住んで投資をしている人ってなかなか見つけづらいかなと思います。またどこから始めれば良いのか分からないという場合も多いかと。
そういう方にお薦めなのがこのAndrew Hallamさんのブログ。
最近はあまり頻繁に更新はされてないのですがシンガポールでは有名なシンガポールアメリカンスクールという所で先生として働いてた方が投資についてブログを書いていて、更に本も書いてます。
ブログ:ミリオネアティーチャー/ミリオネアエクスパット
Millionaire Teacher: The Nine Rules of Wealth You Should Have Learned in School |
アメリカ人向け以外にも、香港、シンガポール、オーストラリア等の情報もあり、またコメント欄も結構盛んに使用されてるので参考になると思います。先生してたというのも固い感じで信頼度が増す?気が個人的にはします。
でもシンガポールや香港は住んでいる場所で投資がしやすそうで、羨ましいです。大陸も中国語が分かればもっとし易いんだと思いますが、色んなファクターもありやっぱりちょっと不安点も残りますね。
後は、海外在住者向けという事ではないですが掲示板で有名なRedditのfinancial independenceというサブカテゴリも色んな情報、やり取りがあって面白いです。
Redditは個人が色々な情報を交換しているので、投資やリタイア以外にも商用ではない情報が載っているので英語に抵抗がない方は見てみることをお薦めします。
マイルやカードのポイントに関するサブカテゴリもあって、私も結構見てます。その他もかなりひろーくカテゴリがあります。
個人的に手堅いと思う投資先
このAndrewさんのブログ内にも出ているのですが、私というよりも夫が個人的に投資を始めたいという友人に勧めているのがVangurad(バンガード)という超低手数料でインデックスファンドやETFを出しているアメリカの会社です。The Vanguard Group - Wikipedia
日本語の会社案内もあります。
www.vanguardjapan.co.jp
インデックスファンド、ETFというような言葉って最初はなんだそれ?という感じだと思います。
大まかに言うとインデックスファンドは日本で言うと日経平均株価・TOPIX、アメリカではダウなどの「株価指標」と同じ値動きをするように色んな会社の株がまとまってセットになって売られている福袋みたいなイメージ。
ETFというのは、これも内容としてはインデックス投資と似ているのですが株と同じように取引所でリアルタイムに買うことが出来るものです。(インデックス投資の方は1日に1度しか約定しないのでその日の中で価格が変わることはなし)
インデックスファンドもETFも基本買ったらそのままにして置いておく投資です。バンガードもその値段に関わらず買ったらそのまま。損益に一喜一憂して毎時間毎にチャートを見るなんて生活は無理な人にうってつけです。
また最近は日本でも例えば1,000円〜というような少ない金額から積立も出来るようになっていたりとかなりとっつきやすくなっています。
このほったらかし投資というのは日本では水瀬さんという方が本も書かれていて、ブログもやっているのでご興味がある方はこちらも。水瀬さんのブログ内にもバンガードに関する記事があります。アメリカのバンガード社にも見学に行かれたそうです。
バンガードが優れているのは、その手数料の低さ、後はほったらかし投資というのは基本世界経済は何だかんだ言っても右肩上がりになっている事から有効だと考えられています。
日本は失われた20年なんて言って、経済が低迷していた時期が長くありますが米国は上がってるんですよね。
ずっと。
まぁ何年か毎に不景気もあったりするので下がる事もありますが、大きな流れとしては上がっています。まぁこれから先の事は誰にもわかりませんが、あくまで予測ですね。
手数料が高いアクティブファンド(プロの証券マンが運用しているファンド)よりバンガードのような手数料が低いインデックスファンド、ETFがお薦めです。
バンガードETFの平均エクスペンスレシオ(※)は0.12%と、米国籍ETFの平均エクスペンスレシオ0.53%に対して、半分以下の低い保有コストを実現しています。
外国株式・海外ETF|SBI証券
バンガード社というのはアメリカの運用会社で、特にバンガード・トータル・ワールドストックは、ニューヨーク市場に上場されているETF(上場型投資信託)の残高は世界第3位です。
これ一本で、日本を含む世界中の株式市場をカバーします。運用管理手数料の水準が非常に低く、運用資産残高の増加につれて引き下げられていることも好ましく、現在のエクスペンス > レシオは0.18%です。日本でもインデックス投資に詳しい投資家に非常に人気があります。
投信の手数料を顧客本位に改めるべきか (2017年5月7日) - エキサイトニュース
日本だとETFは大手証券会社で、インデックスの方はセゾン投信、三井住友、楽天で扱っています。
バンガード-長期・分散・低コスト- バンガード・インベストメンツ・ジャパン - 購入方法
インデックス投資やETFについて日本語でお薦めの本、ブログ
日本国外で投資という事ではないのですが、投資という事について私自身が勉強しようと思って読んだ中でとっつきやすかったのがこれらです。
水瀬ケンイチさん ほったらかし投資 インデックスファンドやETFを毎月積み立てをして購入してそのままほったらかしにする、という方法が書かれてます。インデックス投資ではかなり有名な方です。
ブログ:梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)
紹介する本は全て分かりやすい文体で書かれていて、用語が分からないという人にもお薦めの内容です。
Amazonで詳細を見る
金融マンの方による著書。子どもに伝えたいこと、という前提なので全く初めて、用語が分からないという人にも分かりやすいように書かれています。
GDPとは?というようなところから、どうやってモノの値段が決まるのか、なぜ学校で勉強する必要があるのか、家は買うべきか、賃貸で通すべきか、会社の決算書の読み方、分散投資など投資だけというよりも人生においてお金に係る知っておくべき物事について幅広く書かれています。
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対話形式で書かれていて、初心者対山崎さん(元証券マン)という形で話が進んで行きます。
そのタイトルから分かるように、相手は一般の投資について知識がなく話が進むので何も分からないけどとりあえず投資について始めたいから勉強したいなという方におすすめです。
定期預金の金利が0.01%というような現代でこれよりも割の良いお金の増やし方はないのか、老後に向けてどのくらいお金を貯めるべきなのか、保険って入った方がいいの?というような誰でも持つであろう一般的な質問に答えてくれる内容です。
本は↑で紹介したブログの水瀬さんと、一つ上の本でも出ている山崎元さんという元証券マンの方が書かれています。文体が易しくて全くの初心者でもとっつきやすいと思います。
今話題?(遅い?)の積立NISAについても書いてあり、具体的な銘柄についても触れられているので本を読んでみたらまず試しにとりあえず少額から買ってみるというのもいいかと思います。
実際に買ってみるとやっぱり気になるもので、日経の価格のニュースがより身近に感じられたり、ドル円のレート、世界経済が(少し)が気になったりし始めます。
日経株価が26年ぶり高値を付けた2018年、これからインフレ(物価が上がる)が進んでいくと、お金をそのまま持っていても10年、20年後には今と同じ額の価値はなくなってしまうという悲しい現実。
100円で今買えるものが、10年後には110円になっていたら、お金をそのまま持っているだけではその価値が下がってしまうということです。
そのためにもやはり自分からある程度のリスクを取りに行くというような必要な方法であると個人的には思っています。
ただ、生活に必要な資金はやはりある程度確保しておいて(よく言われるのは3ヶ月分の生活費)、そこからリスクを取れる金額を投資にまわしていく事を検討するというところから始めていくという感じでしょうか。
私自身は全然投資の知識はないので、夫におんぶにだっこです。お金の運用について興味がある人と結婚して、自分で勉強する必要がないのでラッキーでした。
まとめ
海外に住んでいるとやっぱり投資方法は限られてしまいます。
けれども、自分たちでアクティブに投資をして老後に備えて行かないとやはり年金だけでは暮らして行けないので自分たちに何が合っているか調べたり、確かめたりしながら投資先については考えて行く必要があると思います。
簡単にドカンとお金を儲ける方法なんてやっぱりないですが、その中でもインデックス投資は投資に時間を掛けたくないが、老後に備えたいという方には最適な方法だと私は思います。
ただインデックス投資やETFにもリスクはつきものです。株の福袋というように説明しましたが、その特徴からお金がゼロになるという事は考えにくいですが元本保証ではないのでそこら辺は十分に検討されてから投資を始めることをお薦めします。
まずはインデックス投資のブログを読んでみたり、本を読んで見るところから始めてみて頂ければ。
また一冊、一つのブログではなく、複数見て自分に合った物を見極められると良いと思います。