ブータンってどんなとこ?物価、旅行費用、ここが他と違う!

ブータンへの旅行

ブータンと聞いて思い浮かぶのはいつだったか「世界一幸せな国」としてメディアで報道をしていたこと、そして2011年国王と妃が日本を訪問なさったという事くらい。

2018年中国の国慶節に夫の同僚がブータンへ行く予定だということでその時、特に旅行先の予定もアイディアもなかった私達は気軽な気持ちでそのツアーに乗っかることに。

ブータンってどんな国?

まずはブータンはどんな国か簡単にご紹介

  • ブータンってどこ? ブータンは北に中国があり、その他をインドに囲まれている、海のない内陸国です。どちらもかなり大きな国なのでブータンが更に小さく見えます。

グーグル地図

  • 面積 38,400km²。日本の10分の1くらいです。日本は377,972 km²、ブータンと似たところではスイスが41,284 km²、台湾が36,193km²。

  • 人口 ガイドさんによると80万人弱ほどとのこと。27歳のガイドさんは7人兄弟、でも最近では子供は3人位を持つのが一般的とのこと。

  • GDP(一人あたり国内総生産) 2016年時点で一人あたり2,804USD(1ドル113円換算で318,884円)、日本は38,894USDなのでこれも10分の1以下です。

  • 時差、言語 日本時間からマイナス3時間でブータン時間です。公用語はゾンカ語。

他の国とちょっと違う、興味深いところ

長く鎖国していた

ブータンは長い間鎖国政策を取り,主に隣国のインドを介して外交を展開してきましたが,1960年代に入り徐々に国際社会との輪を広げ,1971年に国連加盟,1980年代に入り近隣諸国を中心に対外関係を拡大しました。

外務省: ブータン~国民総幸福量(GNH)を尊重する国

ブータンではテレビ、インターネットが始まったのが1999年と比較的最近です。

旅行は必ず旅行会社を通じて行う

ブータンへの旅行をちょっと難しくしているのは、一部の国を除くほとんどの人は政府公認旅行会社を通じて旅行申し込みする必要があることです。ビザも取得が必要です(旅行会社が手配)。一人一泊200〜290アメリカドル(季節と人数による)と決まった金額を支払う必要があり、また4人未満のグループはちょっと高くなります。

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公定料金には、以下の内容が含まれています。

  • 内国税US$65、手数料(利権料を含む)
  • 宿泊費
  • 食事代
  • ガイド費用
  • 国内移動費用
  • トレッキングツアーのキャンプ設備、運搬代

www.travel-to-bhutan.jp
興味がある方は政府観光局のページで確認できます。

そのため気が向いた時にふらっと出かけられる国ではないです。個人でも団体でも事前に旅程を組んで行く必要があり、ガイドさん、運転手さんが付いた旅程となります。

運転手さんの話によるとこの税金分は教育や医療に使用されているとのことです。そのため公立の学校、病院は無料で受けられるそうです。

インドとの関係が深い

隣の国であるインドと親交が深く、インド人はビザなしでブータンを旅行出来るとのこと。またインドには水力発電で発電した電気を売っています。ガソリンはインドが補助をして提供しており、インドで購入するより安い価格に抑えられているそう。

更にブータンは仏教国で動物を殺生するということを嫌うことから、国内では屠殺せず、インドからお肉を輸入しているんだそう。私個人にとっては何かこう新しいやり方というか、思いもつかない感じの方法ではありました。

インドルピーとブータン通貨は連動している

↑とも関連していますが今まで他国の通貨と連動している通貨っていうのを個人的に聞いた事がなかったのでちょっとほぉーっと思いました。ブータンの通貨はニュルタムと言いますが、これはインドのルピーと同じ価値です。

例えば1アメリカドルは100円になったり、110円になったりと政治、経済、市場の動きで変化しますがインドの1ルピーがブータンの1ニュルタムと同じ。この価値は変わらないのです。

そのため両替所で100ドルをニュルタムに換えてもらうとインドルピー紙幣がそれに混じっていたりしました。結局同じ価値だからブータン内でルピーも使われているようです。インドの経済や政治はブータンにも大きな影響を与えるということですね。

飛行機の本数が限られている

特に観光客数の制限は行われていないとのことですが、飛行機の本数が限られているためそれが結果的に旅行客の制限になっているとガイドさんが言っていました。ただお金持ちの香港人旅行客が飛行機をチャーターして来たりすることはあると。

バンコク、インド内、ネパールからと限られた場所からしかブータンへ行けないためほとんどの人が乗り継ぎが必要になります。これが更にブータンへの旅行を難しくしている理由の一つかもです。

アメリカ、ロシア、中国とは正式には外交関係がない

世界ではかなり大きな力を持つこれらの国と外交がないとはなかなか珍しい気がします。特に中国とは隣接しているにも関わらず外交関係がないというのは国の方針なのでしょうか。

この理由からなのかは分かりませんが、両替は米ドル、日本円、ユーロ、シンガポールドルなどは出来るようになっていましたが中国元は一切できませんでした

ATMからのキャッシングもユニオンペイ(銀聯カード)は使用不可。中国観光客が多い中、対応をしないという選択なのか事情なのか分かりませんが興味深く思いました。

結婚制度

ブータンは一人以上の妻、夫を持つことが出来るそうです。現在の国王は第五代ブータン国王ですが、彼のお父様は4人の妻がおり、その4人は姉妹。4人姉妹を奥さんにしたということだそうで。私にはどんな感じなのか想像がつかないです。

ガイドさんによると結婚は多くの場合、同棲をしてそれで結婚をしているという認識だと。彼自身も配偶者を「My Wife」とは呼んでいましたが婚姻届的なものは出していないとのこと。

複婚が認められてはいるものの、現国王は妻は一人のみで複数の妻は持たないと宣言をしていることもあり、現在は一人の配偶者を持つということが多いようです。

名字を持つ人が少ない

王は名字があるそうですが、多くの人は名字は持っていないそうです。下の名前だけでどうやって区別してるのか不明ですが、名前が2つ、3つという人もいるそうです。

学校では英語で勉強

国語であるゾンカの教科以外は原則英語で勉強するとのこと。そのため若い人は英語が話せる人が多いそうです。

ツアーではガイドさんと運転手さんが付いて案内してくれましたが、運転手さんも英語でのコミュニケーションが問題なく取れました。

一緒に旅行した友人は、ガイドさんだけではなく、運転手さんも英語を話せるツアーは初めてだと言っていましたが、私も今まで行った旅行で運転手さんが英語を話せる人だったというのは覚えていないです。

インド人の学校の先生も多いとのことでインド訛りの英語を話す人も多いとのこと。ガイドさんは大学はインドに行ったそう。でも旅行中、話をした人でインド訛りの人は見かけなかったです。

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そのためなのか街なかの看板も英語が多かったです。

ブータンの人は激辛いものを食べる

ブータンの食事は基本ほとんどの物に唐辛子が入っているそうで、かなり辛いそうです。私はちょっとだけ辛いという程度なら食べられますがカレーも中辛が限界なので辛いものは苦手な方。

そのため外国人旅行者は基本的にはブータン料理というより、中華、洋風な食事を食べることになります。
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唐辛子を干しているところ、沢山のお家で同じ光景を見かけました。

民族衣装を着る事が義務付けられている

公的な仕事、学校に通う場合には民族衣装を着る事が義務付けられているそうです。また公の場所でも民族衣装を着る必要があるとのこと。ガイドさん、運転手さんは皆さん民族衣装でした。

かといって全く洋装の人がいないかというとそうでもなく、チラチラ見かけましたが断然民族衣装を着ている人が多かったです。

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空港職員の方も民族衣装でした。

物価

先に挙げた通り旅行をする際には基本的に食事代も料金に含まれており、買うものと言えば観光客向けのお土産なので実際の物価を感じることはちょっと難しかったです。

またお店も日本で言うスーパー、コンビニというより商店という感じのところでほとんど値段が書いてないんです。なので聞くか買うしかないのですが買う気もないのに聞くのもはばかられ、全然確認できず...

その中でもちょっと物価が垣間見えるようなものの値段を挙げてみます。

10月7日現在で1ニュルタムは1.5円です。

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ブータンのウイスキー K5950ニュルタム1,425円ほど)ただ、帰りの機内では安く確か750ニュルタム?で売っていたので税金がかかっているのかも。

K5は現在の国王の戴冠を記念して作られたそう。お味としては、私はアルコールだめなので夫含む3人が試して、まぁ値段それなりの味かなということ。

ただ別にTaksinという赤ワインも買ったのですがこちらは美味しかったそうなのでお酒のお土産を考えている方は試してみてください。

炭酸水500ml : 25ニュルタム37円ほど

郵便博物館で買った絵葉書6枚で120ニュルタム180円ほど

ブータンの500mlのビール2本、インドのマサラスナック1つ、カステラみたいな小さなお菓子1つ:総計210ニュルタム315円ほど

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カレー好きな夫が気に入ったインドのスナック菓子。右上はビートルナッツ

観光客向けのレストランで飲んだ飲み物:
コーラ350ml:100ニュルタム(150円)
タイからの輸入しているリプトンのアイスティー350ml:100ニュルタム(150円)
お水1L:50ニュルタム(75円)
ただここにサービス税と税金がかかり+20%

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空港のコーヒーショップ 本日のコーヒー:150ニュルタム(225円)

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首都ティンプーで泊まった三ツ星ホテルのマッサージの料金(左): 90分フルボディーマッサージが2,000ニュルタム3,000円)+20%の税金

ただその他の地域に移動して、同じような三ツ星ホテルで見たところ更に値段が高かったです。(右)

旅行費用

公定料金、バンコクからパロ(ブータンの国際空港)までの航空券、ビザ代金、送金費用(代金はブータンへ国際送金)全部あわせて私達の場合、4人で6日間8,800米ドルかかりました。(6泊7日、最後の日の早朝空港までの送迎)

一人だと2,200米ドルですが、6泊のホテル、食事、ツアーガイドさん、車と運転手さん、入場料がかかる場所の入場料が全部コミコミなのでこれを安いと見るか、高いと見るかはそれぞれでしょうかね。

私個人的には国慶節というかなりハイシーズンに、中国人に大人気のバンコク行きの航空券を買ったのでそちらが一人8万円近くになってそれが痛かったです...けれどそれを含まないで考えてみても私達の感覚ではやっぱりちょっと高めかなと思います。

友人が行かなければ私達も行く踏ん切りはつかなかったかも。

ブータンを旅行している方はやっぱりこの料金の高さもあってか年配の方が多い印象でした。子供連れの家族もいないことはなかったですが少なかったです。

ただ旅行中に話をした方はブータン9回目だということで、かなりはまって度々旅行している方もいらっしゃるようです。

まとめ

また別の記事にて行き帰りの飛行機、後は旅のハイライトを書こうと思っています。

仏教国ということで日本はもちろんミャンマーやモンゴルとも仏像や寺に関連が見られて、チベットとは言葉も似ているということで次はチベットにも行きたいなと思いを馳せました。

世界一幸せな国、という点は幸せというものが簡単に測れる、比較出来るものではないのではないと思うので私には分かりません。けれども近隣のインドやネパールと違ってストリートチルドレンはいなかったです。

ただ特に都市部においてはゴミが落ちていることもちょっと気になりました。一方でお寺ではプラスチックを持ち込まないようにしよう、減らそうというようなサインが多く書いてあってそういった点を認識している、問題視している人もいることが垣間見られました。

再度行きたいかと言われるとちょっとお金もかかるのですぐには行けないかなというところですが、他の国とは一味違った政策を取っている国としてとてもユニークだなと感じました。

10〜20年後にまたどのように変化しているか見てみたいなと思いました。